フォーエバー・ラップとリグビーのラップのベースラインが一致している件について [フルハウスで使われた音楽ネタ]
フルハウスの音楽の話題です。
第5シーズン「フォーエバー再び(後編)」であやうくラッパーとしてデビューさせられそうになったジェシー。ラッパーへの転職の危機は何とか免れ、自身の一番望む形 ―バンドのリッパーズと共に、ビーチ・ボーイズの「フォーエバー」正統派バラード路線のカヴァーをリリース― で晴れてレコードデビューを果たす事ができました。良かったね。
ジェシーもこれでビッグなスターへの仲間入り、かと思いきや第6シーズン「とんだ海外旅行」によると、Jesse and the Rippers(ジェシー&リッパーズ)の「フォーエバー」は発売第2週でシングルチャート99位という残念な結果に終わってしまったのだそうです。しかし日本ではシングルチャート1位を獲得しました(爆)
さてさて、ジェシー&リッパーズが契約したレコード会社はFat Fish Music(ファット・フィッシュ・ミュージック)でした。ジェシーとの契約を決めたプロデューサーはファット・フィッシュに勤めるデイビッド・ジャノラリさん。ジャノラリさんは当初、ジェシーをジェスマンと名乗らせ、M.C.ハマー路線のラップを歌わせドカンと一発ヒットを狙おうとしていました。そんな無茶な。
目指せ第二のM.C.ハマー、という事でジャノラリさんが呼んで来たプロの振り付け師によるダンスの特訓を受ける“かつてジェシー・コクランと呼ばれていたアーティスト(当時既に30過ぎ)”ことジェスマン氏。ダンスの特訓はタナー家のリビングで行われましたが、そのときかかっていたダンスの練習用のカセットテープは「フォーエバー・ラップ」のベースラインとおぼしき音楽でした。
↓それがコレ。振り付け師とジェシーの会話のバックで流れている音楽です。
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(再生ボタンを押すと、音楽再生スタートします)
↓実際の「フォーエバー・ラップ」はこちら。編曲・加工が施されたバージョンですが、よく聴くとベースラインも少し流れていると思います。
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こんなんがもし本当にリリースされてたら、ビーチ・ボーイズはきっとジェシーと縁を切っていただろうね!
さてさてPart.2、やっと本題の登場です。
ジェスマンの「フォーエバー・ラップ」はジェシーが断固リリースを拒否した事もあり、お蔵入りとなりました。
ところが、約2年後、「フォーエバー・ラップ」は姿を変えて密かに復活を遂げていたのです。
何と、リグビーのラップとなって甦ったのです!!!
リグビーとは:
第7シーズン「ミシェル抗議する!」に出てくるサイ(※着ぐるみです)子どもたちに大人気。
しかし、アクションリグビーという微妙なぬいぐるみを、実際にテレビCMで紹介された大きさよりも断然小さいサイズをミシェルたちに売りつけたという商法が問題となり、ミシェルたちから「リグビーは嘘つきだー、リグビーは嘘つきだー」とデパートの中心で抗議を叫ばれる。抗議を受け、とりあえずその場をリムジンでドロンするリグビー。しかしその日の内に改心。アクションリグビーを購入した子どもたちの家を一軒一軒回って台湾製のふわふわリグビーぬいぐるみを届けるという、ナイスなサイとなった。めでたしめでたし。
リグビーを見ると、「ハローキティやピカチュウがアメリカで爆発的に売れるわけだ。アメリカ人は可愛いキャラに飢えてるのね」といつも思ってしまう管理人です。
話をリグビーのラップに戻そう。
リグビーがベイビューモールというデパートのリグビー・オンステージのショーで歌っていた歌は、ラップでした。ちなみに、ナイスサイとなったリグビーがタナー家のリビングで歌ってた歌もあのラップ。おそらくリグビーの番組のテーマソングか何かなんでしょう。
で、このラップよくよく聴くとベースラインが「フォーエバー・ラップ」にそっくりなのです。
それじゃまずは、「フォーエバー・ラップ」のベースラインを流します。
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続きましては、「リグビーのラップ」です。どうぞ。
(リグビーの歌声が流れてくる以降の、バックミュージックをよく聴いてください)
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一緒やないけ!!!
つまり、リグビーのラップを流しながら「歌い続けよう 君のために もし それで素敵な笑顔くれるなら!!」と歌えてしまうという。みんなもリグビーの曲をかけながら歌って検証してみよう。勿論私はもう既に口ずさみ済みですよ。エッヘン。←えばるない
一番盛り上がる掛け声のとこも、
ジェスマンのバックダンサー「いつまで!?」(How Long!?)
→ リグビー「アーウー!」に
ジェスマン「フォーエバー!」
→ 子どもたち「アーウー!」に
変更って事やね。
しかしまぁ、ジェスマンの「フォーエバー・ラップ」がまさかリグビーのラップとして生まれ変わっていたとは・・・・
ジェスマンのラップの企画がポシャったから、フォーエバー・ラップの作曲者の人が「ダンナ(リグビー)、こういうラップのベースラインがあるんですけど・・・・」て売ったのか!?
そもそもフルハウスは再利用が多いからな・・・・ここだけの話、スティーブのアパートの部屋も、後にジアが住むアパートの部屋として使われたし・・・・・あのリグビーの番組のセットも、ジョーイがレンジャー・ジョーイの番組持ってた頃のセットという説もあるし。(て事は、レンジャー・ジョーイを乗っ取ったジャングル・ジェニーの番組はほどなくして打ち切られたという事?)
私、いっちゃん最初に「フォーエバーのラップ」を聴いたとき
「こんなうさんくさいラップが売れるわけないっつーの」
と思ってたんですよ。あのうさんくさいミュージック・ビデオと共に本気で売り出そうとしたファット・フィッシュのジャノラリさんはすごすぎる、と思ってたんですが、よくよく考えてみればリグビーのラップは子どもたちに大好評なんですよね。みんなあまり深く考えずにノリノリで「アーウー!」ゆーとるし。
・・・・て事は、もしジェシーがあのとき腹をくくって“ジェスマン”となり、フォーエバーのラップを歌ってデビューしていたら、全米にジェスマン旋風が巻き起こっていたのかもしれないって事・・・・・・・?
意外とジャノラリさん、先見の明があったのかも?
洋楽好きの私は、カイリー・ミノーグがブリトニー・スピアーズにグラミー賞をもたらした"Toxic"を蹴ってしまったケースを思い出して、カイリーとジェスマンがだぶりました。嘘、別にだぶってない。ブリトニーの代表曲"Toxic"は、元々カイリーのために作られた曲だったそうですよ。
ついでにもうひとつ、第5シーズン「フォーエバー再び(後編)」に関するトリビア。
ベッキーがジェシーに、「ジェシー本当にやりたいの?あの夢のジェシーってビデオ!」という台詞があるのですが、「夢のジェシー」は原語では"I Dream of Jesse"と言っています。
アメリカで大人気を博したシットコムに、"I Dream of Jeannie"(1965年~1970年)がありました。このシットコムは、日本でも「かわいい魔女ジニー」という邦題で放送されました。魔女が主人公のシットコムという事で、「奥さまは魔女」とよく比較されていたのだそうです。(シットコムファンの中でも奥さまは魔女派、かわいい魔女ジニー派がいるそうな)
"I Dream of Jeannie"は「かわいい魔女ジニー」という邦題が付けられましたが、ヒロインのジニーは西洋の魔女を指す"Witch"ではなく、アラビア童話に出てくる妖精(Genie)や魔神(Jinnee)の一種なのだそうです。そう、アラビアンナイトやアラジンで有名な「ジーニー」と同じですね。こちらのジニーは、女性なので可愛らしい格好をしていますが。ちなみに「奥さまは魔女」の主人公の魔女サマンサは、Witchです。原題も"Bewitched"ですからね。
ベッキーの言う"I Dream of Jesse"は、アラビアンな服装に身を包むジニーが登場する"I Dream of Jennie"をもじって言った言葉なのでした。
なのでベッキーは、
「かわいい魔女ジニーの男版みたいなミュージック・ビデオ、本当にやりたいの!?」
と言いたかったんじゃないのかな?と推測してます。
↓こちらが「かわいい魔女ジニー」のアメリカ版DVDです。(日本未DVD化)
I Dream of Jeannie: Complete First Season (4pc) [DVD] [Import]
- 出版社/メーカー: Columbia Pictures Television
- メディア: DVD
↓ジェシーのフォーエバー・ラップがばっちり収録されています。
フルハウス(フィフス・シーズン)コレクターズ・ボックス [DVD]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- メディア: DVD
↓リグビーのラップ、バッチリ収録されてます。
フルハウス〈セブンス・シーズン〉コレクターズ・ボックス [DVD]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- メディア: DVD